『小規模事業者持続化補助金完全攻略セミナー』報告
長岡京市商工会が入居している産業文化会館3階の会議室にて開催された『小規模事業者持続化補助金完全攻略セミナー』に参加してきました。講師の先生は、月水金曜日に商工会にて無料の経営相談会をされている中小企業診断士の佐倉さんでした。
開業準備中の方も含め15名ほどの方が参加されていて、この補助金の注目度の高さを感じました。
このセミナーの要点を簡単にまとめて、皆さんに報告したいと思います。
小規模事業者持続化補助金とは
小規模事業者が販路開拓や業務効率化を進めて、事業を継続するための補助金
ポイントは「販路開拓」
- 業務効率化だけを行って利益が上がるだけではだめ
- 【客層の拡大】【商圏の拡大】などを行って売上を上げることが大切。
2022年の持続化補助金の概要
通常枠で補助率2/3、補助上限50万円
補助対象経費
- 機械装置費
- 広報費
- ウェブサイト関連費
- 展示会等出店費
- 旅費
- 開発費(帳票管理が煩雑になるので、おすすめしない)
- 資料購入費
- 雑役務費
- 借料
- 設備処分費
- 委託・外注費
注意事項
- パソコンやタブレット、カメラなどは汎用性が高いので対象経費にならない
- 支払いは基本的に振込
- カード払いは事業期間中にカード会社から引き落としがある必要がある
- 補助金は立て替え払い。全額を支払って、事業終了後に振り込まれる(長い場合、事業開始から半年ほどかかる)
- 3のウェブサイト関連費は交付申請額の1/4以内
申請に必要な書類
- 経営計画書(企業概要、顧客ニーズと市場の動向、自社や自社の提供する商品・サービスの強み、経営方針・目標と今後のプラン)
- 補助事業計画書(補助事業で行う事業名、販路開拓等の取組内容、業務効率化の取組内容、補助事業の効果)
- 経費明細表
補助金合格につながる書類を作るポイント
3年後に目指す事業の姿を思い浮かべる
これを実現するために
市場の動向+顧客ニーズ ✕ 自社の強み
を『経営計画書』『補助事業計画書』に落とし込む
審査の得点
基本項目 ✕ 審査項目 + 加点項目
基本項目のポイント
小規模事業者が主体的に活動し、その技術やノウハウなどを基にした取組であること→業者への丸投げではない
審査項目のポイント
- 自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか
- 経営方針・目標とプランは、自社の強みを踏まえているか
- 経営方針・目標とプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか
- 補助事業は具体的で、実現可能性が高いものとなっているか
- 地道な販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は経営計画の今後の方針・目標を達成するのに必要かつ有効なものか
- 補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか
- 補助事業計画には、ITを有効活用する取組が見られるか
- 補助事業計画に必要なものが過不足なく経費となっているか
おすすめの加点項目
- 経営力向上計画加点
- 中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」の認定を受けている事業者が対象
- 申請書は3枚程度で商工会と取り組めば認定のハードルはそんなに高くない
- 認定まで申請から1ヶ月ほどかかる(これから申請する場合は第11回公募以降が対象)
- 電子申請加点
- 補助金申請システム(Jグランツ)から電子申請を行う
- 取得に2〜3週間かかる
- 事業環境変化加点
- ウクライナ情勢や原油価格、LPガス価格等の高騰による影響を受けている事業者
まとめ
筆者の経験も含みますが・・・
- 評価のポイントなどは公募要項に明記されているので、まずはこれをよく読み込むことから始めましょう
※公募要項は「商工会連合会用」「商工会議所用」と2種類あります。私達は商工会連合会の方を参照しましょう
- 補助事業を行って売上が上がるまでのストーリーを組み立てることが大切です。たくさんの事業所と申請に取り組んできた商工会の経営支援員と一緒に取り組むことで、補助金の採択だけでなく事業自体の成功への近道となります
- 審査員は皆さんの事業に関しては素人です。できるだけ専門用語は使わず長すぎて冗長になったり、短すぎて言葉足らずで内容が伝わることのないよう、適切な文章にしましょう。早めに下書きをして、何度も読み返すことで無駄のないスマートな文章を書くことができます
経営計画について人と話したり、書類にすることだけでも十分に価値のある作業ですし、万が一採択されなかったとしても手元に残ったその計画書はとても有益なものとなりますので、積極的に申請にチャレンジしましょう!